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・林 倫正 選手
・山川 真輝 選手
・友松 加奈絵 選手
・岩本 亜梨沙 選手
フロリダ遠征を終えて
2006.11.19~12.3
IWAMOTO Indoor Tennis
岩本 享浩
「急げ!」「走れ!」デトロイトの空港で、トランジットが1時間30分しかなく、急いで走ったけど結局間に合わず、2時間待って次の便に乗りました。いきなりトラブルからスタートしたフロリダ遠征、いろんなことが起こります。どうなることやら・・・
朝8時にセントレア空港に到着し、成田、デトロイト経由でフロリダのタンパ空港に到着して、車で走ること約1時間。やっとIMGニックボロテリーアカデミーに到着したのは、午後10時ごろでした。時差の関係で約24時間移動にかかりました。子供達をアカデミーに残し、私達はシャワーウォーク(アパートを2週間借りました)へ移動し買い物を済ませ、12時ごろ休みました。今日から2週間どんな生活が待っているのか、不安と期待が入り混じり、あまり良く寝れませんでした。翌朝子供達は朝9時からキャンプでの練習です。


キャンプでの練習・試合
朝7時に起床、アカデミーの中島さんが迎えに来てくれました。今回の遠征は子供達のこともアカデミーの中島さんにいろいろお世話になりました。子供達に普段の生活の中での注意、練習やトーナメントのことまで丁寧に教えてくれました。

私達は9時前にアカデミーに到着して、子供達の顔を見ました。「今から練習するぞ!」とやる気満々な子もいれば「どんなことをするんだろう?」と不安そうな顔の子もいました。でもトレーニングが始まったら不安など感じている暇もありません。日本ではなかなか出来ませんが、最初のUPだけで約1時間、いろんな国の選手と一緒にトレーニングします。UP終了後は各年代に分かれてコートでの練習が始まりました。

みんな外人とラリーをしたり、ドリル練習です。コーチのアドバイスは当然英語です、「意味わかってんのかな?」と思って見ていましたが、みんな理解しようと一生懸命コーチの話を聞いていました。

その間に私達はアカデミーの中を見学しました。テニスコートは約50面、サッカーコートは約5面、野球場は3面、それ以外にゴルフの打ちっぱなし、ショートコースなどもあり、たくさんの子供達が練習していました。普段1面のコートで練習している私には、とてもうらやましいアカデミーです。


午後は3時からメンタルの勉強です、正直英語なので聞いていてもわからなかったと思います。4時からはマッチの練習です。3セットマッチで行われました。やはり試合になるとみんな練習のように打つことが出来ず、最初はミスを繰り返していました。また外人は打ち込んでくる選手が多く前半はリードされる選手が多かったですが、ゲームが進み落ち着きを取り戻したら、ミスも少なくなり、普段のボールが打てるようになりました。日没まで試合は続き、初日の練習を終えました。体を動かして、汗もかいたので、子供達も今日は良く寝れたのではないでしょうか。

練習も2日目になると、みんなリラックスしてUPしていました。私達がアカデミーについたとき、日本人の錦織選手が練習していました。錦織選手は、中学生の時に盛田ファンドで選ばれ、IMGで練習しながら試合に出ています。今はIMGと直接契約して毎日練習しています。彼の周りにはたくさんのコーチがいて、その中にニックボロテリー氏もいました。ここでも期待の大きさがわかります。

子供達は昨日と同じで、午後はマッチの練習です。少し疲れが出てきたのか、いつものショット、体の切れがなく、競った場面でのミスが目立ちます。力の差はあまり感じないのですが、ここ1番での集中力が違いました。しかも、常にエースを狙い打ち込んでくるかんじで攻めてきます。日本人の子は逆にプレッシャーがかかる場面では、振り切ることが出来ず強く打てません。ミスしてもいいので、自分のボールを打ち込めるようになって欲しいですね。

練習も終わり、まわりも暗くなり、みんな寮へ帰るときに、加奈絵と亜梨沙に呼び止められ、「調子が悪かったので、サーブだけでも練習したいのですが?」と聞いてきたので、もちろんOKの返事を出しました。しかし、練習するボールがありません。そこへたまたま、アカデミーの山中コーチとすれ違い、事情を話してボールを貸して欲しいと頼んだら、気持ちよく貸してくれました。山中コーチに感謝するとともに、真っ暗の中サーブの練習をしたいといった、加奈絵と亜梨沙の行動はとても嬉しかったです。

中島さんのおかげで、キャンプでの練習を出て、アカデミーの練習に参加させてもらいました。キャンプでの練習は9時からですが、アカデミークラスは、真輝、倫正、加奈絵はAM7:00開始、航、航輝、亜梨沙は8:00集合です。キャンプと違いアカデミーの選手はレベルも高く、子供達にはよい刺激になります。加奈絵はショートラリーの時はアルバロコーチが直接打ってくれました。倫正、真輝はそれぞれ違う相手と2試合やりました。慣れてきたのか、互角に打ち合いなかなか良い試合をしました。亜梨沙は最後のマッチ練習では調子がよく、明日からの試合がとても楽しみです。

この日はサンクスビギンズデーで、町中のお店がすべて休みです。日本では考えられません。アカデミーの晩御飯も3時までに済ませてくれと言われても・・・大島コーチたちが子供達のために、コンビニで食べ物を買ってきてくれました。コートは開放されているので、みんなで日没まで練習しました。

子供達が練習している間に、サドルブルックにある、ホップマンキャンプを見学に行きました。サドルブルックはリゾート地にあり、ゴルフ場と森と池に囲まれた静かな場所にありました。ただ、ボロテリーキャンプと比べると少し寂しく感じました。

今日から試合が始まります。私達は朝5時に起きて、練習コートを取りに行きました。6:30から亜梨沙、加奈絵、航、航輝で練習し、途中から、加奈絵は倫正、真輝とアカデミーの練習に参加しました。

亜梨沙がAM8:00から、Eslami,Maryanと試合をしました。結果は残念ながら2-6,0-6で負けてしまいました。初めての海外での試合で、緊張して思ったように打てず、力を出し切れないまま終わってしまいました。本人もくいが残ったと思います。
9:00から、真輝がDelgad,Lais,E(ドミニカ)倫正がFomin,NikitaV(ロシア)と試合です。真輝の相手は、シード選手でしたが、真輝も調子がよく、声もしっかり出して気後れすること無くなかなか良い試合でした。しかし勝負どころでのプレーに差が出て4-6,3-6で負けてしまいました。初の試合にしては、緊張することも無く、なかなか良かったと思います。

倫正は気合の入ったプレーで、ラリーの打ち合いから打ち込んでいく強気のテニスで、7-5,7-5で勝利してくれました。見ている私がとても興奮するような、いい試合をしてくれてとても満足でした。このあと3:30から2ラウンドが始まります。その前に加奈絵がWOで1回戦を勝ち上がり、勝利の握手をしました(笑)本人もほっとしたのか、笑顔で練習に向かいました。

倫正の2ラウンドが始まりました。試合開始が6:00にずれ込み、1-2の時点で一時中断しました。その後私と倫正は2人で本部の前で、8時過ぎまで試合を待って、インドアコートで試合を再開しました。相手は、Antun,Renato(アメリカ)です。サーブが早く、なかなかの試合巧者です。倫正も必死に食い下がりましたが、4-6,0-6で負けてしまいました。本人も力を出し切ったのか、私のところに来る時には笑顔でした。この試合は、大島コーチ、楢木コーチを始め、みんなで応援してくれたので、のりも心強かったと思います。

今日も朝5時に起きてコートの確保です。6時にアカデミーに着くと、もうすでにアカデミーの選手が個人レッスンを受けています。ここでは当たり前の世界ですが朝は早いです。インドアコートでは、ボロテリーが5歳ぐらいの子供を教えていました。ボロテリーは75歳で、毎朝4時に起きて、4時30分からトレーニングをしてから、レッスンをします。まさにスーパーおじいちゃんですね。

今日は航輝が9:00から試合をしました。結果は6-1.5-7.6-3で勝利しました。さすがは全日本12歳以下チャンピオンですね。明日の試合も楽しみです。

その後加奈絵が試合をしました。相手はSumith,Jennifer(ドイツ)です。結果は残念ながら1-6,1-6で負けてしまいました。加奈絵はブルネイに続いて2回目の海外遠征です。本人も今回はかなり気合を入れて臨みましたが、気負いすぎたのか、本来のプレーが出来ずに負けてしまいました。とってもくいの残る試合だったと思います。
しかし試合が終わった後、私に心を開いて正直にいろんな話しをしました。このときの気持ちを忘れずに今後の練習に励んでくれたら、間違えなく加奈絵は成長していけると思います。私は試合の結果は気にしてません。もう一度テニスを始めたときの気持ちを思い出して練習していって欲しいと思います。

航と航輝は本選から登場します。航は14歳以下の全日本ジュニアダブルスチャンピオン、航輝は12歳以下のシングルス全日本チャンピオンです。

航は1R Narayana Ashok (アメリカ)に 7-6,7-5で勝利しましたが、2Rで第1シードのCarey ,Rodney(バハマ)に2-6,2-6で負けてしまいました。
航輝も1RはKinigopoulo,Christopher(アメリカ)に6-1,5-7,6-3で勝利しましたが、2RでPeiwo,Filip(カナダ)に2-6,1-6で負けてしまいました。
2人ともチャンピオンらしく堂々と戦いましたが、大事なところでミスが出てしまい、思うようにゲームが取れませんでした。ラリーは互角だと思いました、ほんの少しの勝負強さがあれば、もう少し内容も変ったかもしれませんが、残念ですね。

航の2回戦の相手のコーチのビルが試合前に、私達にとてもフレンドリーに話しかけてきました。このときの出会いが、後でとても重要な意味がありました。

ダブルスのペアーは、試合会場で探さなくてはなりません、倫正と真輝みたいに、同じ年齢で試合に出ていれば、2人で組めるので問題ありませんが、女の子達と航と航輝は自分で探さなくてはならなかったのです。みんな同じ年ぐらいの選手に、ドンドン声をかけたのですがなかなか見つからず、航はビルに聞いたら、パートナーを紹介すると言われ、すぐにサインすることが出来ました。

女の子2人はなかなか見つからず、とてもあせっているのがわかりました。亜梨沙はダブルスのパートナーを探している選手の名簿を見ても、自分で英語で交渉することが出来ないので、名前と電話番号を控えて、中島さんに交渉してくれるようにお願いしました。何とか交渉成立で、Pitt、Alexa(アメリカ)とサインすることが出来ました。
最後に残った加奈絵もいろいろ探しましたがなかなか見つからず、しかも最後になってしまったので、あせったと思いますが、ビルに聞いてみたら選手を1人紹介してくれて、何とかサインできました。選手たちも大変でしたが見つかるまで本当に良く頑張ったと思います。私は英語を話せないので、交渉してやることも出来ず、内心とてもあせっていましたが、何とか見つかって嬉しかったです。

今回のこの経験は私にとってもとても大きな問題です。エントリーできないばかりか、英語を話せなくては、子供達を危険な目に合わせることになると思いました。次回の遠征までに、少しでも話せるように勉強しないと遠征にはいけません。とても反省した一日でした。
ダブルスは、加奈絵がMohammed,Carista Jr(トリニダードトバコ)の選手と組み、亜梨沙はPitt,Alexa(アメリカ)と組み、航はCarter,Jushin(バハマ)と組み、航輝はBisono,Juan R(ドミニカ)と組み、それぞれ、1Rで負けてしまいました。コミニュケーションも上手く取れず、初めてペアーを組むことを考えたら、よく頑張っていたと思います。特に女の子2人は、シングルスで力を発揮できずに、ダブルスはかなり気合を入れていたと思います。最初は、緊張して硬かったのですが、徐々にリラックスできとても良いプレーを見せてくれました。結果は残念でしたが、内容には満足できたのではないでしょうか。「違う国の選手と組んでも、目的が同じなら、言葉は通じなくても、すぐに打ち解けられるもんなんだなあ」と感心しました。倫正と真輝は1R2RはDEF勝ちしてベスト8入りしましたが、準々決勝で負けてしまいました。

2週間の生活
今回の遠征では、たった2週間でしたが、いろんな事がありました。コートの確保、コミュニケーション、人間関係などテニス以外の問題もいろいろとありました。

遠征も最初は緊張感もあり、少々の問題は気にならないのですが、シングルスに負けてしまうと気が抜けてしまう選手もいました。練習コートの確保は、途中から子供達だけでやらせました。朝の練習は毎朝6時にコートについて練習しましたが、アカデミーで食事をするため、交代でコートを取りました。外国の選手は、コートが空いていると見れば、いろんな理由をつけてコートに入ってきます。中には「俺が練習するから、お前達は出て行って!」みたいな態度で入ってくる選手もいてとても大変です。日本ではこんなことはありえないのですが、外国ではコートを確保するのも大変です。もちろん言葉も通じません、普段日本で当たり前のように練習できる環境が当たり前と思っている選手たちには、良い経験になったと思います。
コミュニケーションは、いろんな問題がありました。もちろん英会話が出来ないので、どうしても日本人の選手だけで固まってしまいます。しょうがないことですが、少しでも自分が英語を話して相手に通じたときには自信がつきます。最初に話し出す勇気があればもう少し何とかなったかもしれません。電子辞書を片手に頑張っている選手もいました。

もう1つはチョット大事な問題です。今の子達は、携帯メールでコミュニケーションを取ってしまうので、どうしても言葉が足りなくなってしまいます。その為ほんの些細な勘違いがお互いの人間関係まで悪くしてしまいます。遠征中にも、ちょっとした勘違いから、いろんな問題が起こり、ミーティングで子供達にきつく注意しました。ただでさえ英語が話せないのだから、「せめて日本語でちゃんと会話ができるようにしてほしい」そんな気持ちもこめて話しをしました。
2週間も一緒に生活していたら、相手の良いところも悪いところも見えてきます。「チームとして始めて遠征したわけですから、お互いに相手のことを思いやり、しっかり話しながらみんなで協力して生活していこう」と話しをしました。選手達もわかっているのですが、多分何をどう話したらよいのか分からないのかもしれません。自分の思っていることを、言葉で相手にわかるように上手く伝える事が出来ないのです。
2週間の間には、コーチとの約束が守れずに叱られたり、朝寝坊してしまうことがありました。問題を起こしてしまったことはやり直すことが出来ません。その後しっかり反省し、コーチ達に素直に謝り、気持ちを早く切り替えることが大事だと思うのですが、子供達は自分から行動を起こすことができませんでした。人と話し合う事はとても大事です。普段からあまりメールに頼らず、相手の目を見て話せる選手になってほしいと思いました。

選手達の成長
今回の遠征で、選手達はいろんな事を経験して成長しました。もちろんこの経験がすぐに試合の結果となって出てくるわけではありません。帰国したら、いろんな人達から「アメリカに2週間も行ったんだから・・・」といろんな事を言われて、おそらく本人達はすごいプレッシャーを感じる事だと思います。もちろん、そんなプレッシャーに負けていてはいけませんが、2週間遠征しただけで強くなれるなら、誰でもアメリカに行くことでしょう。
ミーティングで大島コーチから、「海外にきたら普段見えない自分に足りないことが分かる」と言う話しをしてもらいました。子供達が何を感じて2週間過ごしてきたかは分かりません。でも何か気づいたことはあるはずです。そのことを書き出し、書き出したことに対して具体的にどうすれば良くなるか、自分で方法を考え、自分でやることを決める。そして、その決めたことを練習で「やり続ける強さ」を自分達で磨いていけば、必ず結果はついてくるはずです。時間はかかるかもしれませんが、子供達は必ず強くなると思いますので、これからも見守って行きたいです。

遠征直後の試合でも、良い成績が取れないかもしれませんが、そこは温かく見守ってやって欲しいと思います。
今回私は、高校時代からの夢であるアメリカ遠征を、子供達のおかげで実現することが出来ました。選手として行くことは出来ませんでしたが、こうして子供達に囲まれて遠征できた事にとても感謝しています。選手達は早く来年に向けて目標を立て、それに向かって練習して欲しいです。

最後になりましたが、中島さんをはじめ、お世話になったIMGの方々、テニスや写真などいろんな事でお世話になっている大島コーチ、今回始めて一緒に遠征した楢木コーチ、遠征に対して気持ちよく賛成して送り出してくれたご両親そして、2週間不在の為スクール生の方にはご迷惑をおかけいたしました、心より感謝しております。
選手達は日々成長しております、その時々で今回のような遠征に連れて行くことも来年もあると思います。そのときはまたご迷惑をおかけすると思いますが、どうかご理解下さい。

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